【7】合格するかどうかもわからないうちに一度渡米し、住む家を決めた

ピッツバーグ

Squerrel Hillsという地域に住むことになりました


合格がわかるまでには4か月を要した

必要な書類を全て整え大学に提出すると、あとは合格通知を待つだけになります。これがないと次のステップ、ビザの申請まで進めません。留学あるある話ですが、この合格通知を受け取るまでに4か月かかりました。この間、どれほど気を揉んだかわかりません。すでに会社は辞めていました。自分ひとりならどうにでもなりますが、子供たちがいるので、学校の関係上どこに住むかも重要です。新学期は8月末から。渡米できたらすぐに生活を立ち上げる必要があります。

一度渡米し現地を下見、住む家を決める

合格するかどうかもわからないまま、2003年の5月、Nさんのご自宅に数日間居候させていただき家探しをしました。

ニューヨークやワシントンDCのような大都会とは異なり、ピッツバーグには大きな日本人コミュニティはありません。が、研究者の家族や、(のちに撤退しますが)ソニーの駐在員家族などが一定数住んでいました。

そこで知り合ったコミュニティの中でも在米20数年、ゴッドマザーのようなマダムが私の面倒を買って出てくださいました。

日本にいる外国人もそうだと思いますが、最初の生活の立ち上げはやはり同胞の協力を得るのが安心なんですね。そのマダムの紹介で、夏には日本に帰国するというご家族に出会いました。1日か2日の間に話はまとまり、市内の東側、Squerrel Hillsという地域にある二軒長屋の半分を家財道具一式と車も合わせて居ぬきで引き取ることを決めました。家賃は月800ドルぐらい。アメリカのおもだった都市と比較すると半値ほどの相場です。小学校も近くにあり、治安もよく、静かな地域です。

ピッツバーグ 家

ピッツバーグで借りた家

 (しかし、昨年の秋、この静かな住宅街にあるユダヤ教礼拝所で銃の乱射事件が発生しました。これにはショックを受けました)。

しかし、私のような、子供4人で母子留学しますなどと訳のわからないことを言う人間が、ぽっとやってきて、この家財道具と車、すべて引き取らせてくださいとお願いをする。いくらマダムの紹介とはいえ、これ、やっぱり留学はやめます、なかったことにしてください、という可能性だってあるわけです。子連れの日本人女性にビザが下りないとも限りません。そのご家族も心配だったでしょう。家族で駐在したことのある人は想像がつくかもしれませんが、帰国の準備にはそれ相当の時間とコストがかかりますよね。飛行機に乗る日から逆算していろいろな手続きをすませなければなりません。引っ越し準備をせず、一切合切を私にゆずる決断をするのは結構勇気のいることだっただろうなあと、今にして思います。

さて、合否については、幸運にもこの滞在中に確認することができ、安堵のため息とともに帰国の途につくことができました。

(つづく)

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