【33】相手に「Yes」と言わせる訓練は小学校からやっている。娘の宿題に驚く一方で私のコミュニケーションスキルは、、、。

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アメリカの小学校で出た宿題「persuacive letter」

Noと言えない日本人の私は、サバティカルの先生の一件で相手を説得するスキルの重要性を思い知ったのですが、そんなある日のこと、上の娘(4年生)が宿題を持って帰ってきました。見ると「persuasive letter」という単元で、相手に「Yes」と言わせる説得力のある手紙を書こうという内容です。学校からの手紙にはこんなことが書いてありました。

「今回の授業では、説得力のある手紙を書くスキルを勉強しています。そこで、お父さんやお母さん、おじいちゃん、おばあちゃん誰でもよいので、ひとつお願いごとをする手紙を書くことにしました。願い事は何でも構いませんが、なぜそれを自分が必要としているのか、その理由を論理立てて書いてもらいました。お子さんが持ち帰った手紙を読んでください。そして、それに対して返事を書いてください。お子さんの願いを聞き入れても聞き入れなくても構いませんが、なぜそうなのか、説得力のある理由も一緒に書いてくださるようお願いします。」

大学院で学んでいるプロポーザルと同じ?

これ、まんま私が大学院でやってるプロポーザルそのものじゃない? アメリカではこんなことを小学生のうちからやっておるのか。。

娘の英語はだいぶ上達しており、先生の添削も入ったのでしょうが、手紙にはいっぱしの文章が綴られていました。

「お母さんへ。私はペットが飼いたいです。ペットの種類は虫以外ならなんでもいいです。犬や猫でも構いません。私がペットを飼いたいと思う理由はいくつかあります。まず、彼らはとても利口です。キャサディの家の犬を見たでしょう?ボールを投げると走ってとってきます。とってもかわいいです。それから、ペットを飼うということは責任感が身に付きます。私は自分のお小遣いでペットにえさを買って、毎日えさをあげます。あなたは世界一素晴らしいお母さんです。どうか私にペットを買ってください。愛をこめて。カナより」

You are the greatest mom in the worldなどという文章を臆面もなく書けるぐらいアメリカに馴染んでいる娘に、私は感慨を覚えました。結論を先に述べて理由を後から書いていることにも感心しました。ほんと、これ大学院に入った最初の頃は全くできなかったよなあ、私。

大学院の課題で組んだパートナーとの意思疎通に苦労

しかし私はといえば、相手にYesと言わせるスキルがないために、またしてもトラブルに陥っていました。ある共同プロジェクトで組んだ相手とコミュニケーションが全くとれないのです。彼も留学生でしたが、言葉の問題ではありません。

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あるテーマでデータベースを構築するのですが、役割分担としてプログラミングが彼、私が全体のレポート執筆を担当することになったものの、一向に動こうとしないのです。メールで聞いたり電話したり、授業で会うたびに進捗を聞くのですが、のらりくらりとかわされるだけ。彼のパートの目処が立たないと私のパートにも取りかかれません。いつやるの?と聞くとすぐにやると答える。でも2,3日待ってどうなった?と聞いてみると何も進んでいない。そんなことが続いてだんだんイライラしてきました。

夜中に担当教授に文句のメール

ライブラリースクールではグループワークや2人一組の課題が頻繁に出されますが、どんな相手にあたるか、誰と組むか、これが最も重要で、やりやすさが全く変わってきます。私から見ると彼は残念ながらハズレでした。でも、私にも問題はありました。声のトーンや話のロジックでは、私の焦りや困惑は伝わらなかったのです。 沸々とこみ上げた私の怒りの矛先は担当教授に向かい、夜中に「あんな無責任な人とは一緒にできません」と感情に任せてメールする始末。そんなことを言われる先生も困ったと思います。

結局ぎりぎりになってプログラムは完成し、なんとか提出にはこぎつけました。でも私の気分は晴れず彼に対する不満は溜まったまま。プレゼンも兼ねた先生との面接では「自分は100%の力を出し尽くしたのでAをもらって当然です」と平然と答える彼。こういう図々しさが自分にも欲しいと思ったものでした。

ある意味アメリカのお家芸ともいえる

とにもかくにも、相手を説得する論理展開とコミュニケーションスキル、これが何にも増して重要だからこそ、ライブラリースクールではプレゼンやグループワークやプロポーザルの課題が嫌というほど出る。そしてある意味、それはアメリカのお家芸であって、だからこそ子供の頃からさんざん訓練するんだな。そんなことを改めて思いました。

(つづく)

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