【53】子連れの留学で一番ありがたかったことは誰もケガや病気をしなかったこと

日本では毎日が病院通いだった

私と子供達がアメリカに渡る前の年の話ですが、その頃は当時入院していた夫を見舞うため、病院と家と保育園と会社を行ったり来たりする毎日でした。朝、下の娘たちを保育園に送り届けると、その足で会社に行き仕事をし、昼休みをずらして病院に行く。夫を見舞ったあと、必要な場合は主治医の先生の説明を聞き、会社に戻って定時まで仕事。保育園に娘たちを迎えに行って、スーパーに立ち寄り買い物をして家に帰る。時々来てくれる義母の助けでどうにか時間のやりくりができていましたが、それでも若かったからできたことなんだなあと思います。自分の子供には、悲しい思いも含め、同じ経験はさせたくありません。

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「無形資産」のうちの「活力資産」のひとつは健康

リンダ・グラットンの「LIFE SHIFT」では、人生100年時代を生きるにあたり、3つの無形資産を形成することの重要性を解いていますが、このうちの「活力資産」と言われるもののうちで非常に重要なのが健康。当たり前すぎて、実はないがしろにしがちな部分でもありますが、本にはこんなことが書いてあります。耳が痛い・・・。

私たちは健全なお金の使い方と貯め方を実践すべきなのと同じように、健全な生活習慣を実践する必要がある。無形の資産への投資の一環として、適切な食生活を維持し、運動を習慣づけるべきだ。また医学が進歩すれば、好ましいとされる生活習慣も変わる。最新の医学情報に基づいて行動や習慣を修正するために時間を投資することも忘れてはならない(p144)。

 アメリカにいた当時、この手のことは全く意識の片隅にもありませんでしたが、幸いなことに私と子供達はすこぶる元気に過ごしました。5人のうち一人でもケガや病気に見舞われたら、綱渡りのような生活が一気にバランスを崩してしまうわけですから、今振り返ってみれば、本当に恵まれていたと思います。

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一方、アメリカの歯医者さんにはよく通った

アメリカの病院は、基本「一見さんお断り」で複雑なシステムですが、あまり世話にならずにすんだのは幸いでした。一方、歯医者さんには虫歯の治療で子供たちを何度か連れていきました。日本の歯医者と違い予約をとるのは大変なのですが、一度行けばほぼ一回の治療で完結するのが良いところです。娘たちは歯医者さんに行くと、治療のご褒美にぬいぐるみやお菓子(!)をくれたりするので、嫌がるどころか楽しみにしていたほどでした。

歯医者さんの待合室でナンパされる

ある時、次男を歯医者さんに連れて行った時のこと。一回の治療時間はとても長いので、その間待合室で宿題をしていました。すると、若い男性の患者さんが入ってきました。日本人だとこういう場合、お互いが目を伏せ、相手を空気のように扱うのがある種礼儀みたいなものですよね。でもアメリカは逆。普段でもエレベーターで見知らぬ人と一緒になったり、廊下ですれ違ったりするときには、目を合わせてニッコリ笑ったり、ハイ!と挨拶するのが自然で、そうでないと無礼な印象を与えます。私はこのことが必要以上に頭の中にあり、反射的にその男性の目を見て飛び切りの笑顔を作り「ハイ!」と挨拶をしました。

ところが思いもよらない反応が。「あなたの笑顔がとても素敵なので、こんなことを突然言うのは気がひけますが、このあと食事でもいかがですか?」と男性!いきなりのナンパモードに(ここはイタリアか)。「いや、私は息子を待っているので」と私は答えました。すると、さらに「結婚してるんですか?」と押しまくりの彼(あんたはイタリア人か)。

ここで本当のことを言うと、例のサバティカルの大学教授のような面倒なことになりかねません。私は淡々と「はい、そうです」と答えました。そうか、わかりましたと相手は残念そうに首をふってニッコリ笑い、それでこの話はDone。正直に言えば内心「一体何歳に見えたのかなあ、ワタシ。うふふ」と喜んでいたのですが、そんなことはおくびにも出さず、宿題の文献に再び視線を落としたのでした。

(つづく)