【66】カタロガーには絶対に向いてないと改めて認識

 職業訓練の一環で図書館でトレーニングを受けさせてもらった

東アジア図書館の私のスーパーバイザーの計らいにより、2005年の初め、最後のセメスター、私は週に2回ほどカタロギングのトレーニングを受けさせてもらうことになりました。

教えてくれたのは、当時ピッツバーグに1年の契約で着任していたHさん。のちにフロリダの大学図書館職員となり、十数年のキャリアを積んだのち、帰国。現在は大阪のインターナショナルスクールの中高一貫校で司書教諭をされています。先日ディープな大阪を案内していただいたことは先に書いた通りです。

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カタロギングって何?

図書館の本というのは(本以外にもいろいろな資料はありますが、ここでは話を簡単にするために本に限ります)、当たり前ですが、買って書架にならべただけではなんの意味もなく、その本をうちの図書館はもっているよ、こんな内容の本だよ、ということをデータとして公開し、利用者が探せるようにしておく必要があります。大昔は、このデータをひとつひとつの図書館でちまちま作成していました。カタロガーと呼ばれる職種はとても重要だったのですが、ネットの時代が到来し、誰かが作ったデータを簡単に流用することができるようになりました(もちろん基本的にお金はかかります)。

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いま、アメリカのライブラリースクールではカタロギングは必修科目ではなくなったそうで、カタロガーという職種も10年か20年したら消えてなくなるかもしれません。しかし、今のところまだまだニーズがあるのも事実です。

そもそも細かい作業に向いてない自分

私が習ったのは、OCLCのWorldCatというシステムから本のデータを呼び出して複製、必要があれば追加、削除、修正するといういわゆるコピーカタロギングの作業でした。アメリカのシステムで日本語の図書データを扱うので、アルファベット表記の規則を覚えるのが大変でしたし、併記するためのシステムの漢字変換もやたらとショぼかった記憶があります。

しかし、何よりも、呼び出したデータを確認し、正しいデータに修正したり、情報を追加したりという作業、よくよく考えたら自分が最も苦手とする分野だということに、私は早々に気が付きました。

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前職の思い出、データシートのミスを指摘されまくる

留学する前にいた会社は、出版社でしたが、いわゆる普通の出版社とは異なり、何かを調べるための事典のような本を作っている会社でした。私はそれらの本の大元となる人物情報のデータベース製作の部署に長い間配属されていたのですが、2回に一回はミスを指摘され、後輩社員に怒られていました。校閲のような仕事もそうですが、「正しいはずだ」というバイアスをいかに外すかが重要、「間違っているに違いない」という前提でデータを見なければいけません。が、それがどう頑張っても無理でした。

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異動願いを出して営業職で復活

データベース製作部署には、あまりにも迷惑をかけているし、仕事そのものにクリエイティブな面白みもない。友人たちには「そんな仕事を一生やるつもりなの?」とあきれられる。悩んでいたところ、営業に空きができたとの噂を聞きました。すぐに異動願いを出しました。

異動してみたら、どうでしょう。今まで無能だ無能だと思っていた自分はどこにいったの?と思うほど、全く別の能力が開花したようです。答えがあるようでないような仕事に向いていたのかもしれません。外の世界の人と関わる仕事も面白く感じました。何度も書いているとおり、給料はめちゃくちゃ安かったのですが、のちに留学につながるアメリカのお客様との関係も構築できました。

悩んでいたら、我慢しないで環境を変えることも重要だなということですね。

ある日、突然トレーニングの必要がなくなってしまった

さて、話を元に戻すと、カタロギングのトレーニング、アメリカに残る手段として割り切って頑張っていたつもりですが、実はそんなに長くは続きませんでした。なぜなら、その頃、日本で就職する話が突然降ってわいたように持ち上がったからです。

ある日曜日の夕方のことです。2階の私の部屋に長男がやってきました。

「なんか、たぶんこれさー、発音からして日本人だと思うけど、ママに電話」と子機を渡され、「Hello?」と出てみると、「覚えてますか?東京の○○です」。

たしかに日本からの電話でした。

(つづく)