電話面接のみで採否が決まる
最近では、ビデオカンファレンス等で採用面接をすることも珍しくなくなりましたが、2005年当時はまだスカイプも一般的でなく、遠隔地同士で面接を行う場合はもっぱら電話でした。ただ、アメリカのような広い国でも、電話面接のみで採用が決まるということはほとんどなく、一回は採用者側が旅費を出し、候補者と面談するというのが普通ではなかったかとも思います。
私の場合、3年前にこれでもかというほど何度も面接を行ったこともあり、今度については、採用に関わる数名の関係者と電話で話すだけで採否が決まることになりました。
子どもの邪魔が入り怒り心頭
さて、電話はもちろん自宅で受けるわけですが、私が住んでいたピッツバーグの2軒長屋の家は、各部屋に鍵はついていませんでした。
「ママはこれから大事な電話があるから、ぜったい部屋に入ってこないでね」。
と子供達に念をおしました。
「うん、わかった」
と子供達も返事をしました。
準備は万端。2階の部屋に早めにこもり、今か今かと電話が鳴るのを待ちます。そして、時間通りに電話インタビューは始まりました。電話の向こうは2人。先日思いがけなくいただいた電話の時はまた違う、3年ぶりの面接モードのGMの声。緊張する~。
しかしです。電話面接が始まり2,3分たったその時、不意にドタドタと階段を駆け上がる音がして部屋のドアがバタンと開き、「ママー、冷蔵庫にあった〇〇食べてもいいの?」。次男と長女と次女が部屋の入口に立っていました。私は受話器の向こうに愛想よく返事をしながら、鬼の形相で子供たちを睨みつけました(あれほど入るなって言っただろうが!大バカやろう!! )。私のこの猛烈な怒りは伝わったようです。子供達は無言ですごすごと階下に降りていきました。その後しばらく下の部屋はしーんとしていましたが、電話が終わった後、私はすかさず駆け下りていき、子供たちを大声で怒鳴りつけました。次回の面接ではもっと対策が必要だ。。
電話面接の心得
さて、インターネットで「job interview phone tips」などと検索すると、実にたくさんのサイトがヒットします。次の段階に進むためにすべきこと、してはいけないこと、色々なアドバイスが書かれています。
私もいくつかのサイトを見比べたのですが、ええっ?こんなことまで?と思うアドバイスに「たとえ自分の部屋でもきちんとビジネススーツを着てインタビューに臨むこと」というのがありました。
スーツを着て電話面接に臨む
Wear business attire: Of course the interviewer can’t see you, but you won’t feel, or sound, as businesslike in your pajamas.
(ビジネスの服装を:もちろん面接官はあなたが見えない。でも、パジャマを着ていたらあなた自身はビジネス的な気分になれないし、ビジネス的な話し方にも聞こえないだろう)
https://www.jobinterviewtools.com/blog/how-to-dress-for-a-phone-interview/
ピッツバーグに来てからまともな服は殆ど買っておらず、かろうじて昔会社に着て行っていたスーツがありました。入るかどうかわからないけど、まあ、気分も出ることだし、これを着るか。
次の電話面接では、ドアに「絶対入るな」という張り紙をし、スーツに身を包み、起立して臨みました。一体私はこの部屋で1人で何やってるのかしら?と思わなくもありませんでしたが、きっとビジネスライクな雰囲気は受話器の向こうに伝わったことと思います。
(つづく)