【71】再就職までの道のり。自宅の部屋での電話面接で「質問は?」と聞かれ、ろくでもないことを答えた私

その後も電話面接は続き・・・

部屋の外に「絶対入るな」という張り紙をし、2回目以降の電話面接にのぞんだ私。自宅の部屋でスーツを着て直立不動で電話を受ける。一体私はなにやってるんだと間抜けな姿を滑稽に思いながらも、これを逃したら母子共に路頭に迷う、何がどうでも粗相のないように努めなければと必死でした。そして、終わった後は必ず御礼のメール。大変有意義な時間をありがとうございました、きっと自分のスキルや経験がお役に立つものと思います、引き続きよろしくお願いします等々、、思いつく限りの美辞麗句を並べます。

しかし、一方で、あまり物欲しげになるのはよくないのではとも思っていました。自分に選択権があるのだという態度を示すことも重要です。ですから、今の自分は、御社の製品と競合製品の違い、無料で出回っているツールとの違いがわからない、また、自分はマシンガントークをするような人間ではない、自分の持ち味が生かされないなら採用されなくても構わない、といったようなニュアンスのことも、やせ我慢しながら伝えました。余談ですが、私が入社した当時の営業は、お客様に対して商品についての機能や素晴らしさを一方的に滔々と語るというのが主流で、私自身はこれにはとても違和感を感じていたのですが、そのうち、クリエイト・カスタマー・バリューということが言われだし、一方的にしゃべりまくる古い営業スタイルは影をひそめました。

とにかく、このように押したり引いたりしながら、ようやく最終の電話面接にこぎつけたのでした。

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VPの電話面接で「最後に何か質問は?」と聞かれ。。。

 最終面接はアメリカ人のアジア担当VPと1対1での電話会議でした。電話で英語。。。私はいまだに電話で英語をしゃべるのが嫌いです。旅行先のホテルのルームサービスですらできれば夫に頼みたいと思います。だったらあらかじめ定型文の原稿を用意してそれをそのまま口にすればいいのに、それはしたくないという変なプライドもあり、、、。結果、受話器の前であわあわしてしまうというシーンがよく繰り広げられます。当時は今よりもさらに下手な英語をどうにか駆使して日々を乗り切っていましたから、まあ支離滅裂なことをさんざんしゃべったに違いないのですが、VPはそういう下手な英語を話す日本人には慣れているようでした。基本的には履歴書に書いてあることをなぞるような質問が多かったです。が、最後に「何か質問はある?」と聞かれました。

「質問はある?」と質問するねらいとは

「質問はある?」と言われても・・・。質問に答えることばかりを想定し、自分が質問をするなんてことは露ほども思っていなかった私。この質問はあるかという質問の意図は何なのか。あれから何年も経って、今の夫と再婚して初めて理解しました。それはこういうことです。

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現役の頃、2000人以上の人を面接してきた夫が言うには、人を見極める一番良い方法は質問させてみる、ということなのだそうです。最後に何か聞きたいことはありますか?と聞いてみて、面接をする側がたじろいでしまうような質問ができる人は滅多にいないそうです。多くの人は、福利厚生だとか、給与条件だとかそんな話に持っていく。しかし、この「質問はありますか」の本当の意図は、その人がどれほどビッグピクチャーを描きながら仕事に臨もうとしているのか、そういう能力がある人なのかを見ることなのだそうです。つまり、会社の戦略とか将来の姿に関わるような質問をするのが正解なのです。

しかし、私はといえば、、、VPの同じ質問に対して発した言葉は「あのー、あなたは日本ではなくてシンガポールに住んでいるんですか?」というしょーもない一言でした。

・・・・穴があったら入りたい。

あの時、一瞬ぽかんとされたような「間」を受話器の向こうから感じたのは、決して気のせいではなかったのだと思います。でも、まあ結果的には採用されたのだから、鋭い質問ができる人っていうのはそうそういないということなのでしょうね。(つづく)。

 

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気が付いたら2か月もブログをさぼっていました。この間世の中も私の身の回りも色々なことが起きています。当時の再就職先だった会社も大転換の時期を迎えており、永遠のビジネスなんてどこにもないんだなと、新美南吉の「おじいさんのランプ」の話を思い起こしたりしています。

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