2019年9月5日に広瀬容子が代表を務める株式会社ラピッヅワイドは東京都に第三種旅行業の登録を完了しました。
特定少数のグループを対象に
- 図書館ツアー
- 研修
- 視察
- 英語漬け合宿
- 親子英語遠足
- 婚活ツアー
など、様々な受注企画の旅行を手掛けていきたいと思います。
さて、宣伝も兼ねて、どうして私が旅行業の登録をしようと思ったのか、その経緯を説明させてください。
始まりは海外の図書館員からの打診
この子連れ留学ブログの本編でも何度も書いていますが、留学後、苦楽を共にしたクラスメイト達は自分の母国に帰ったりアメリカで職を得たり、様々な形でキャリアを重ねています。私自身も、図書館情報学で修士号を取った後は、周辺の業界に戻り、ずっと仕事をしてきました。
ボランティアで見学ツアーを企画、訪問先に案内、同行
2015年に独立し、このラピッヅワイドという会社を立ち上げましたが、起業して間もない頃、元クラスメイトから「香港のライブラリアンのグループを連れて日本の図書館見学をしたいので、協力してほしい」という打診がありました。それが2016年のことです。 この時は完全にボランティアで、国内のいくつかの図書館(公共、大学含む)にコンタクトをとり、事情をお話ししてアポをとり、日程を作成、来日したライブラリアンの皆さんを案内しました。
ALAブースで出会ったアメリカの図書館関連企業も
さらに2017年、アメリカはシカゴで行われた米国図書館協会の年次大会のブースで、私はある企業さんとつながりができ、その年の秋に来日した副社長さんを日本の図書館に案内させていただきました。
視察、研修ツアーを実施するには?
報酬を得て企画旅行を実施する際、旅行業の登録は必須
これを本格的にビジネスにしていくにはどうしたらよいのか。
この時点で、私自身は旅行業という法律についての知識が皆無でした。しかし、色々調べてみると「報酬を得て旅行企画を実施する際には、旅行業の登録が必須」だということがわかったわけです。
趣味のグループでも注意が必要
たとえば、有志のグループの場合。顔見知りの間での旅行の企画、実施は旅行業法の適用外です。しかし、そうであっても、広く不特定多数に募集をかけ、反復的にツアーを行う場合、企画旅行とみなされ、登録が必要になるケースも。でなければ旅行業違反になるのです。しかし、この点は役所の判断もあいまいで、非営利かそうでないか、結局は当局がケースバイケースで総合的に判断するようです。
自治体が関与するツアー実施に係る旅行業法上の取扱いについて PDF (170.8KB)
災害時のボランティアツアー実施に係る旅行業法上の取扱いに関する参考資料 PDF (108KB)
とにかく、私自身は会社としてビジネスをやる以上、登録が必須だということがわかりました。
旅行業登録の壁は結構高い
旅行業には大きく4種類ある
この旅行業登録ですが、大きく4種類あります。第一種、第二種、第三種、地域限定の4種類です。それぞれの違いについてはここでは触れませんが、第一種と第二種は大手旅行会社が持っている資格だと思ってください。たとえば私も何度もお世話になっていますが、丸善・雄松堂さんは第一種の旅行会社さんと組んで海外図書館研修を実施されています。
通常、私のように一人で起業している人間は、第三種あるいは地域限定で登録を行います。私は第三種で登録しました。第三種は、丸善・雄松堂さんのような「不特定多数に向けての募集企画」はできません。基本的にお客様の側から「こういうテーマのツアーを企画してほしい」と言われて成り立つ受注型の企画旅行のみとなります。
したがって丸善・雄松堂さんと競合することは今後もありません。
旅行業取扱管理者という国家資格が必要
会社として旅行業を営む場合に必ず必要なのが、旅行業取扱管理者という国家資格保持者です。かつては資格を持っている人が名義貸しなどをしていたこともありましたが、これは今では厳格に禁止されているため、会社として資格保持者を雇うか、あるいは自分で国家試験を受けて取得するか、どちらかの道を選択する必要があります。
そんなわけで、私は国家試験を受けることにしました。
2018年の5月から都内にある専門の予備校に通い、10月に国内の旅行業取扱管理者試験を受け、無事に合格しました。(海外の企画旅行を可能とする資格試験は今秋受験予定です)。余談ですが、この受験対策予備校、中国人の生徒が無茶苦茶多かったです。日本語で授業を受けて複雑な約款やJR運賃の規則を覚えて試験を受ける・・・すごいなあと感心しました。中国人向けのインバウンドは日本の旅行会社は入り込む余地がなさそうですね。
全ての条件を整え、申請書類を東京都に提出
会社としての基準資産額、供託金、オフィス準備には約3か月ほどを要しました。東京都産業労働局の指定の準備を全て整えて申請、何度かやり取りがありましたが、無事に審査を通過しました。
www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp
旅程管理主任者、いわゆる添乗員の資格も
今回の登録には直接関係ありませんが、旅行業者が実施する企画旅行において、添乗業務を行う為には、「旅程管理主任者」という資格が必要になります。私はこの資格も昨年取得し、いわゆる添乗員の「修業」をしばらく行いました。これについてのエピソードはまた何かの折にブログでお伝えしたいと思っています。ほんとに色々ありました!派遣添乗員は、司書よりももっともっと待遇が悪いです。「やりがい搾取の典型」だなあと思います。このあたりも少しずつ変革に寄与していけたらと思います。
副商号「Libツアー・ひろせ」の由来
登録業者は自身の会社の商号と合わせて、旅行業者と認識できるような副商号を名乗ることが許されています。私は「Libツアー・ひろせ」と名付けました。Libは私がずっと仕事をしている図書館業界のLibraryにちなんでいますが、リベラル、リバティ、色々な広がりがあるLibを頭につけることにしました。
楽しい企画を一緒にお手伝い
ここまで読んでいただきありがとうございました。これから追々ホームページなども立ち上げていきたいと思っていますが、まずは可能な範囲で小さな企画から始めていこうと思います。楽しい企画を一緒にお手伝いさせてください!「こんな企画ができないか」アイデアをお持ちの方、ご連絡をお待ちしております。
(株)ラピッヅワイド(Libツアー・ひろせ)広瀬容子