【31】日本人コミュニティのお付き合い。”ママ友”のダンナ様を私は「先生」と呼ぶべきなのか問題

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ピッツバーグには大きく分けて三種類の日本人が住んでいました。ひとつは私がお世話になったNさんやマダムのような永住組、ひとつは単身留学組、そして夫の仕事や留学で付帯家族として滞在している人々です。私達家族はどのカテゴリーにも当てはまりませんでしたが、補習校など子供同士の関係もあることから、自然と駐在のご家族とママ友同士でのお付き合いが多くなりました。

研究留学のお医者様の家族が多く、私などは、皆さんどんな優雅な暮らしをされているのだろうと勝手な想像をしていたのですが、皆んなで集まると、よくお金がないお金がないとこぼしていました(たぶん比較の対象が違ったのでしょうね)。確かに生活は比較的地味で、そういう意味では付き合いやすかったです。彼女たちの多くは英語を殆ど話さず、日本人のコミュニティの中だけで生活していましたが、情報のアンテナはあちこちに張り巡らされており、学校給食がタダになる手続きを教えてくれたり、運転免許の学科試験の日本語での過去問をくださったり、色んなことを教えてもらいましたし、助けてもらいました。

 

一方で、私達家族は狭いコミュニティでは格好のネタで、多少ゴシップ的な扱いをされていたことも事実です。マダム曰く、我々が来る前は、えー、ご主人を亡くしたばかりで私費留学で子供4人連れて来られるんですか、我々とは住む世界が違いますね、お子様方は私立に入れられるんじゃないかしら?などと噂していたとのこと。しかし、そこはマダムという存在のおかげでギクシャクすることもなく、割合すんなり受け入れてもらった気がします。

子供が学校に行っている間にお茶したり、時には買い物に行くなど、私も時間の許す限りお付き合いをしていました。が、人からの誘いを断るのが基本的に苦手な私、宿題で本当にテンパっている時は、壁から電話線を抜いて居留守を使ったりしたことも、、、(当時はまだ携帯電話は非常用、家の電話が中心でした)。

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ところで、渡米して生活の立ち上げを始めた頃は、彼女達のご主人も協力してくださり、電気製品やパソコンやプリンターなどを買うために車を出してくださいました。運転免許の実地試験の練習に付き合ってくださるなど、本当にお世話になりました。年齢も近く、私は彼らを苗字にさん付けでごく普通にナントカさんと呼んでいました。しかし、ある時、裏庭で子供達を遊ばせながら、ちょっとした飲み会をしていた時のことです。”ママ友”がそれぞれのご主人を「○○先生」と呼んでいることに気づきました。○○先生、ビールいかがですか、○○先生のお仕事は××ですか、○○先生、この間○○先生はこんなことおっしゃってました、○○先生、○○先生、、、。

うわ、私もしかして失敗した?先生って呼ばないといけなかったの?普通にさん付けで呼んじゃってたよー。いまさら変えるの変かなあ。それともさん付けで呼び続ける方が失礼なのかしら?

私はわからなくなりました。

「ああ、あれ? 私、あれ大嫌い」

マダムに聞いてみると、すかさずきっぱりとそう言いました。自分の先生でもないのに先生って呼ぶのは変よ。悪しき慣習だわね。日本を引きずっているだけよ。さん付けで呼んで何が悪いの。

そうは言っても、マダムは永住組、普通の日本人と価値観の違う人が言えばそれなりに説得力はあるでしょうが、私の場合はどうだろう。角が立たない方法はやっぱり先生って言うことなのかな。でもこれってお医者さんのコミュニティでの話?奥さんの中にはもと看護師さんで職場での呼び方をそのまま踏襲している人もいました。 だとしたら部外者の私が先生って呼んだら逆に変かも。。

結論は出ませんでした。そんなわけで、そこから先はなんとなく周囲の雰囲気に合わせて、先生と呼んだり、なんとなくごまかして名前も呼ばずに会話を進めたり、つまり空気を読む。取るに足りないことのようで結構重要なスキルでしたね。

(つづく)

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