【45】アメリカのオープンなシニア恋愛に学んだこと


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 子供の誕生会@公園で会った”ご老人”

娘のクラスメイトが公園で誕生会を企画し、それがなんとも不思議な会だったことは前に書いた通りです。その時、主役の男の子を待ちながら、私は一緒に招待されてやってきた双子の女の子の保護者の男性と2時間世間話をしていました。

彼は見た目年齢が60代後半ぐらいで、私はてっきり孫に付き添って誕生会にやってきたお祖父ちゃんだろうと思っていました。一緒に待っていたお母さんが、彼に向って、私は家の用事があるのでいったん帰る、あとはよろしく頼むわねと言い残してその場を立ち去った時も、この人は彼女の父親なんだろうと思いこんでいました。

が、しかし。「Are you their grandpa?」と聞くと、いや、僕は彼女たちの母親のボーイフレンドだよと答えたので、私は心の中でかなりびっくり。顔では平静を装いつつ、失礼なこと聞いちゃったな、知らず知らずのうちに固定観念と偏見が自分の中に育ってしまっていたようだと反省したのでした。

その後も、留学中、色々な機会に年配者同士のカップルに出会いましたが、当人たちも回りの人も全く気にとめず、あっけらかんとオープンだったのがとても印象的でした。

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日本に根強い年齢差別

翻って、日本を見ると、この国にはまだまだ年齢差別が根強く残っている気がします。たとえば就職の際の年齢制限や定年制度。外資系企業などでは「若い世代に任せて」といった表現も差別的だとして諫める風潮がありますが、そんな感覚は一般にはなかなか持ちにくいですよね。また、私自身の公園での反応がそうだったように恋愛も同様。昔に比べるとだいぶ変わって来てはいるものの、「年相応」なふるまいをすることが暗黙の了解になっていることが多い。年相応ってどういうことなのか、つきつめて考えるとわからないのですが、「老いらくの恋」だとか「色ボケ」とか、日本語には本当に嫌な言葉が色々あります。

もしかすると、子供と親との精神的な距離がアメリカやヨーロッパに比べて近いからかもしれません。たとえば高齢な親が亡くなり、もう片方の親が残されたとしても、当の子供は自分の親に再婚して幸せになってほしいとか、彼氏あるいは彼女を作ってほしいなどと望まないケースの方が多いのではないでしょうか。 

モテ期は80歳!?

さて、留学当時30代だった私ですが、その後13年たち、ありがたくも素敵な縁に恵まれて50歳で再婚しました。相手は一回り上でやはり再婚。その時に思ったことは、シミやしわが増えたり、お腹が出たり、引力にすべての肉が引っ張られたり、体力が衰えたりとそれなりの変化はあるものの、それ以外の精神的な部分は若い頃と殆ど変わりないということです。きっと今後も、内面はそれほど変わらず年を取っていくのではないかなと思います。

先日、Youtubeの勝間和代さんと和田裕美さんの動画を見ていたら、和田さんが「モテ期は80歳を目指す」と言っていたのに思わず笑ってしまいました。が、人生100年としたら、あながちあり得ないことではないかもしれません。また、80歳にモテ期を迎えるためには今何をしたらいいのか、そういう気持ちで日々送ると張り合いが出るし、いろんな努力をしようという気にもなるでしょう。

生きづらい世の中、やっぱり相手をみつけよう

 今、ほんとに生きづらい世の中になっています。男も女も。天職だと思っているのに経済的に立ち行かなくてその道をあきらめた、なんていう話を聞くと、ちょっぴり声を大きくして「支えあえる相手を見つけようよ!」と言いたくなりますね。制度云々も勿論大事ですが、現実的にはまずここからではないでしょうか。私も留学中、アメリカに残って就職を考えていた私に、ビザの問題をクリアする一番の近道はアメリカ人の相手を見つけることだと、何人かの方からありがたい助言を受けました。

相手を見つけなさいって、なかなか人には言いにくいことです。なぜなら、自立することが大事だとか、男に依存するなとか、まったく異なるベクトルに話をもっていかれる危険があるので。しかし、男女を問わず、そして、異性愛、同性愛を問わず、人生で支えあえるパートナーがいる、やっぱりこれは素晴らしいことです。

食べて歌って恋をして

イメージコンサルタントの竹岡眞美さんも講演会でよく引用しますが、イタリア人の人生観を表す有名な言葉「マンジャーレ、カンターレ、アモーレ」。食べて歌って恋をしているうちに一生が終わるという人生観。これを聞いただけで明るい太陽がさんさんと降り注ぐ光景が目に浮かびます。こんな風に誰もが生きられる社会を作っていきたいですね。

(つづく)

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